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暁峰株式会社 〒344-0036 埼玉県春日部市下大増新田416-2
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ニュースリリース

月間「J2 top」 8月号(時事通信社発行) 「世界に誇る!日本の中小企業」に掲載されました。 (2010.08)

世界に誇る! 日本の中小企業

液晶パネルの再生で低価格路線

環境ビジネスで商機をつかむ


2001 年の家電リサイクル法によってテレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機のリサイクル率は一挙に向上した。さらに09年度からは液晶テレビもリサイクル法の対象に 加わり、液晶モニターの大量廃棄に一定の歯止めがかかっている。しかし、資源の有効活用が十二分に果たされているとはいえない。

 今後も急増が予想される液晶モニターの廃棄だが、高い技術力と開発力でリユースを進めているのが埼玉県草加市の暁峰株式会社だ。液晶パネル再生メーカーとして、独白の道を切り開いている。


液晶パネルの寿命は半永久的?


暁蜂株式会社の創業は1999年。中国・広西チワン族自治区出身の小林翔社長が、「まだまだ使えるパソコンが日本では簡単に捨てられているのを目の当たりにして、有効に活用できるはず」と起業した会社だ。

  当時は、リースが終わった中古パソコンやOA機器を買い取り、データを消去して再整備し海外に輸出するビジネスだった。「資源の有効活用」「発展途上国に 廉価で提供することにより国際間のデジタル格差を縮小する」などの面からも高い注目を集めることに。創業から六年間で「再生した」パソコンは約五十万台に 上るという。

 しかし、パソコンが普及するにつれ、パソコン価格も下落の一途をたどり、新たなビジネスモデルの構築を迫られることになる。パソコンのモニターもブラウン管から液晶パネルヘとシフトし始めたころだった。

  「自社の経営資源を徹底的に洗い直しました。単に中古のパソコンをリニューアルするだけでなく、付加価値のある商品を提供しなくてはと考えました。液晶パ ネルもすぐに大量に廃棄の時代がくるはず。それをなんとか活用できないかが、出発点になりました。中古の液晶パネルを再生して、新しい筐体に取り付けて液 晶テレビを製造・販売できないか―――でした」

同社の前田朗常務は、新規事業への取り組みを語る。

「液晶パネルは年数がたてば見えにくくなったり、真っ暗になってしまいます。しかし、これは液晶パネルに問題があるのではないのです。液晶パネルは半永久的に使えます」

  前田常務は、液晶パネルを照らすバックライト―――蛍光灯の劣化が原因という。バックライトを交換すれば、中古品から新品の液晶パネルになる。そして、付 加価値としてテレビを視聴できる機能をつけて製品化への道筋を立てたのである。仕入れて売る中古販売業者から製品メーカーヘの転身でもあった。


「環境への配慮」が商機を生む


液 晶パネルをテレビとして再生するには生産ラインが必要になる。人も土地も日本国内ではかなり厳しい。ちょうどそのころ中国の北海市から誘致の声がかかり、 「北海暁峰電子有限公司」を設立して生産することになる。草加の自社工場では、徹底的な試験と検査を行って、より品質の高いものを目指した。こうして04 年に製品化されると、まず、アフリカ諸国への輸出が始まる。さらに実績を積み重ねたところで、06年から国内販売を開始した。

「通 常、15インチクラスの液晶テレビ製造時に排出される二酸化炭素(CO2)は約110キログラムです。そのうち、約80%が液晶パネルの製造時に排出されると いいます。しかし、液晶パネルを再利用すれば、一台当たり88キログラムのC02を削減した効果があるのです。再生した液晶パネルを使うことで低価格化は もとより、環境の面からも優れているテレビがつくれていると自負しています」と前田常務。

  その成果が、07年渋沢栄一ベンチャードリーム賞の奨励賞、08年エコプロダクツ大賞の審査委員長特別賞の受賞に結び付くことになる。この薄型テレビにい ち早く注目したのが、大手ビジネスホテルチェーンだった。キーワードでもある「環境への配慮」が共通の経営姿勢としてマッチしたという。07年8月~08 年12月の間に新規オープンした客室へ六千台以上納品することになった。

  また、国内の大手家電量販店で店頭販売するなど、新規事業は順調に推移していくかと思われた。しかし、液晶テレビが普及するにつれ、薄型テレビの低価格化 が急速に進むことになる。「価格競争だけならなんとか太刀打ちはできますが、営業力もブランドカがない小企業では、テレビだけで大手家電メーカーと競争し ていくのははなはだ難しかった」(前田常務)と、さらなる事業展開を目指すことになる。


電子看板事業を本格化

  中国からの留学生として熊本大学の大学院に学んだ小林社長は、修士課程修了後は帰国して研究者になる予定だったという。ところが、帰国目前に故国で天安門 事件が勃発した。学生たちを武力で押さえ込もうとする政府の姿勢に怒りを覚え、帰国を断念。日本の大手メーカーーに就職する。順調に歩み始めたかに思えた 日本での生活だが、リストラされたのは会社の上司で、これを見ていやになり自分もやめた。その後、紆余曲折を経て、暁峰を立ち上げるが、つねに頭の中に あったのは「事業家として成功したい」という強い思いだったと、小林社長は語る。

  再生した液晶パネルを使ったテレビ生産に代わって、次に立ち上げたのが電子看板事業であり、防犯システムの製造販売である。いずれも中古液晶モニターの有 効活用が「事業の核」となっている。 前田常務は、「現在、当社には中国からの技術者が全社員の半数在籍しています。ソフトウエアの開発には高い技術力が 必要ですが、中国の技術者のほうが圧倒的に優秀ですね」と、同社の新規事業の柱と期待する電子看板の取り組みを説明する。

  ビデオカメラで撮影した動画や、デジタルカメラで撮影した画像、音楽やテロップ文字などを使用して、簡単に広告内容を編集できるソフトウエアを開発。液晶 モニターとセットで販売するものだ。再生利用の液晶モニターを使うことで、ここでも低価格が実現している。中小の小売店や飲食店、スーパーなどへ販路を拡 大していくという。パソコンで簡単に編集することができるのが大きな特徴だ。編集後は、SDカードなどのメディアに取り込んで、モニターにデータを移すだ けだ。 「電子看板用のモニターは当面は15インチが主力になりますが、今後は大型の液晶パネルが大量に廃棄されることが見込まれます。横型のモニターを 縦型にするなど、大型への対応も問題なく進められています」と、前田常務は期待を込めて語ってくれた。