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ニュースリリース

戦略経営者3月号「経営戦略」環境キーワードに液晶パネル再生事業を展開 で掲載されました。 (2011.03)

経営戦略 暁峰

 

“環境”キーワードに液晶パネル再生事業を展開

 埼玉県東部に位置する春日部駅からバスに揺られること15分。のどかな田園地帯を歩いていくと、忽然とその会社の本社屋が姿を現した。昨年八月に草加市から移転した暁峰である。

 テレビやパソコン用として利用された液晶パネルの再生を手がける同社が延べ床面積1,600平米におよぶ大型工場をこの地に建設したのは、今後の需要拡大が見込まれる発光ダイオード(LED)を使った大型電子看板製作をにらんでのこと。工場内には同社が提唱する「グリーンバトンシップ」キャンペーンにより回収された大小様々なサイズの液品モニターが所狭しと積み上げられている。天井部分に設置された四機のクレーンを使って液晶パネルを自由自在のサイズに組み合わせ、屋外や展示会などで利用される電子看板として再生する。

何度も蘇る液晶パネル

さて前述したグリーンバトンシップとは何か。暁峰の小林翔社長が事業の目的を「環境とビジネスを融合し付加価値の高い製品を提供していくこと」と語るとおり、同社にとって「環境」は取り組むべき不変のテーマ。主力製品として手がける液晶パネルは「液晶自体が光っているのではなく、パネル裏側にある直径2ミリほどの無数のバックライトが照らしており、バックライトを交換すれば半永久に使える」(同社・前田朗常務取締役)というリサイクル面で優れた特性を持つ。加えてCO2(二酸化炭素)の削減効果も見逃せない。 「通常15インチの液晶テレビを一台つくると約110キロのCO2が排出されますが、液晶パネル部分を製造する工程で全体の8割に当たるCO2が排出される。したがって当社が再生させた液晶パネルを利用していただければ、液晶パネルを新たに製造する必要がなくなり、約88キロのCO2を削減できることになります」

 液晶パネルの再生を通して循環型社会実現の一翼を担い、次世代に貴重な資源を受け継いでいく――。そのような想いがグリーンバトンシップという言葉に込められている。

廃棄ゼロを目指し産学連携へ

小林社長はそのグリーンバトンシップの考え方を浸透させるため、昨年から新たな活動に着手した。今後の事業の柱のひとつとして考えている産学連携への取り組みである。解体した液晶パネルの部品類の再利用方法を検討したところ、ロボット製作を行う多くの学生が部品を求めていることを知ったのだ。そこで近隣の宮代町にキヤンパスを構える日本工業大学に「ものづくり環境学科」が新設されたことを奇貨に、部品類の無償提供と再生部品で作ったロボットのコンテスト開催をもちかけたのである。日本工業大学は環境面での先進的な取り組みが知られている大学のひとつ。大学の環境改善活動に関わる全国の大学のゼミ、サークルなどによって組織された「Campus Climate Challenge実行委員会」が選定する、エコ大学ランキングの私立大学部門で昨年第一位に表彰されている。国内随一の規模を誇る太陽光発電や、風力発電を活用したCO2削減活動が評価された結果であった。 「日本工大のものづくり環境学科が掲げる〈エコプロダクツを創造する人材を育成する〉という方針と当社の方向性が合致すると感じました。発想力豊かな学生達に是非部品を有効に使ってもらいたい。今後は産学連携をはじめとして地域密着でビジネスを展開していきたいと考えています」

 なぜ小林社長は地域密着を掲げるのだろうか。実は暁峰は07年にある大型商談をまとめた。国内最大手ビジネスホテルチェーンの新たにオープンする店舗の客室に同社製の再生液品パネルを使ったテレビを納入する契約を結んだのである。一年半の間に計6,400台を販売し、業績面で大きな追い風となった。ところが、これが思わぬ形で経営の足を引っ張ることになる。

「全国で新規オープンする店舗での設置作業を、アフターメンテも含めて請け負った結果、社員が忙殺されてしまったのです」(小林社長)

 そうした経験が地元埼玉での事業展開に特化させたのである。これまでに液晶パネル再生のノウハウを活用した防犯用カメラや運用システムの開発に成功し、草加市の小中学校、公園に設置された実績がある。

無限の可能性を秘めるLED

 暁峰が産学連携と並んで経営資源を傾けて取り組んでいる事業がデジタルサイネージ(電子看板)の開発、販売である。その市場規模は4年後には現在の約2倍に達するといわれ、停滞する日本経済の新たな成長分野として期待されている。暁峰は従来から液晶パネルを用いた電子看板の貸し出しを行っていたが、屋外に飾ると日差しで液晶画面が暗くなり、文字が読み取れなくなるという欠点があった。そして、その問題点を解決する素材として注目したのがLEDだった。

 「LED光源は節電、長寿命、低発熱というメリットを持っています。また屋外看板のような大型製品から家電用照明まで様々な形態の製品となる可能性を持っており、技術とアイデアを生かせる素材だと実感しています」(小林社長)

 LEDを用いた電子看板のみならず、持ち前の高い技術力を生かし、昨年五月には電子看板コンテンツ作成ソフト「POP VISION」を製品化している。電子看板に映し出す動画やテロップをパソコンで編集し、SDカードを介して電子看板にデータを読み込ませる…というものだ。

 中古パソコンの仕人、販売からスタートし、液晶パネルの再生によるテレビ、防犯カメラの販売を手がけ、現在は産学連携、電子看板の開発に商機を見いだす暁峰。一貫して変わらないのは環境というキーワード。「コンピュータ資源のリユースによる社会貢献を使命とする」同社の時流を捉えた事業展開は今後益々意義を持つに違いない。